あげまっぷ物語 ~神保町・スープデリ編~
後輩(以下後):あ゛ぁ゛ー…
先輩(以下先):どうした?お弁当の前でうめき声挙げて。
後:あ、先輩。なんだか最近同じものしか食べてないなーって思いまして、買ってくるのも作ってくるのもちょっと飽きてきちゃったんですよー。
先:独り身だとあるよねー、早く彼女つくればいいのに。
後:モラハラで訴えますよ。
先:冗談だよ冗談、そしたらこれあげるから食べてきな!
シュポン!
後:お、先輩からメッセージが…なになに、【ギフトチケット】??
先:【あげまっぷ】っていう千代田区の飲食店で使える最近始まったサービスで、買ったチケットを他の人にプレゼントできるんだ。これをお店で見せて【使う】ボタンを押してもらうだけで、そのメニューが食べられるって仕組みだ。
後:へー、なんだかよく分かんないですけど、これをお店で見せれば食べられるんですね。ってことはこれ先輩のおごりですか!?
先:ゾンビみたいな後輩いたらおごってやりたくもなるだろう、明日はそれ食べて生き返ってこい!
後:マジですか、じゃあ明日さっそく使ってみますね!
~~~~~~~~~~~翌日~~~~~~~~~~~~ ~~~
後:えーと、先輩からもらったチケットのお店は神保町の【スープデリ】か。雑居ビルの中にあるとかなんとか。
後:あ、あった。
なんかすげーレトロでいい感じのお店だなぁ。
後:こんにちはー、一人いけますか?
御主人:はいどうぞー、お好きな席に座ってください。
御主人:ご注文お決まりですか?
後:あ、そしたら…
この【ギフトチケット】使ってもいいですか?
御主人:はいはい、【日替わりランチ】のチケットを使うんだね、OKだよ。
後:(あ、よく見たら画面にメッセージが、なになに…【いつもありがとう!これ食べてまた頑張ろうぜ!】だって?普段ありがとうなんて口が裂けても言わない先輩がメッセージを…これはうれしいなぁ~
御主人:そしたら画面を見せてもらって…ぽちっと
御主人:はい、これでOK。出来上がりまで待っててね。
後:あ、お願いします。…これだけで注文OKなんだ、意外と簡単だなぁ。
後:しかしこういうお店でランチ食べるなんていいな~。落ち着くし、気持ちもリセットできそうだ。
~10分後~
奥様:お待ちどおさま、日替わりランチのセットになります。
今日は【トマト煮込みハンバーグとグラタンコロッケ】だね」
後:おお、なんだか色々出てきた!
どれも美味そうだ!」
後:そしたら冷めないうちに…先輩ありがとうございます、
後:(トマトの味がしっかり生きていて、
後:(過度にマヨネーズが使われていない、
後:(ピラフにペペロンチーノ、それにメインのハンバーグとグラタンコロッケがそれぞれ主張し過ぎず、かつ埋もれないように調和が取れた味付け)
後:(全体的に素材の味を生かしながら、うまい具合でバランスとれている。なによりも素朴で懐かしい、優しい味がする)
後:これだ…俺はこの味を欲していたんだな…。なかなかお弁当やら自炊だと作れない味だ…。
後:先輩はそれを見越して…
御主人:(独り言多なこのお客さん)」
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後:ごちそうさまでした。とっても美味しかったです!
御主人:それは良かった、ここ良かったらテイクアウトとか夜も営業してるし、またフラッと食べにおいでよ
後:そうなんだ!そしたらまた絶対来ますね!
御主人:ありがとう、そしたら午後も頑張ってね。
後:ありがとうございました、またよろしくお願いします!
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先:お、どうだった?
後:超うまかったです!先輩のおかげで生き返りました!
先:それなら良かった、俺の見立てはバッチリだったな。
食べることは生きるための基本だからな、
後:もう身にしみてわかりました、なにより先輩の心遣いがうれしかったです!
先:泣かせること言うなぁ。【あげまっぷ】で買って送れる【ギフトチケット】は、同じお店でも何種類かはメニューを選べるし、千代田区内の色々なお店を選べるんだ。お前も誰かにお返ししたいときは、同じように【ギフトチケット】を贈って感謝を伝えるといいぞ。
先:まあ今回は俺からのほんの感謝の気持ちだ、
後:せ、先輩…!一生ついていきます、
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先:(よし、これであと2~
《終わり》